こんにちわ、ストレンジアーティファクトデザイナーのツダです。
今日はレザーアーマーリングと並んで当ブランドを代表するレザーブレスレット「ダブルバックルレザーブレスレット」を深堀したいと思います。
こちらですね、並んだ2つのバックルがとても印象的なモデルです。
■なんかどこにでもありそうなデザインだけど何が他のと違うの?
レザーブレスレット好きな方からするとよくあるバックル2つのやつでしょ?
と言われてしまいそうですが、このモデルの特徴はバックルが2つあることそして下の画像にあるようにベルトがターンアラウンドタイプになっていることです。
(※ターンアラウンドタイプ-ベルトがカンなどによって折り返すタイプ)
結構めずらしいタイプの構造で、同じ構造のものを制作しているブランドはいまだに見かけたことはないです。
■ダブルバックルタイプの構造は基本的に2種類+1種類
でもこういう風にベルトがターンになっているの見かけたことある人もいると思います、一体それとは何が違うのか? 今回はレザーブレスレットマニアのツダが基本構造についてもさらっと紹介したいと思います。
■構造その1 ダブルロールタイプ
よく見かけるタイプの一つ目はダブルロールタイプ、ほとんどの場合長い一枚革を使用してバックル後方にある穴にベルトを通して一周ぐるっと巻き付けるタイプです。
写真見ると何となく構造がわかると思います、このブレスレットは私が所有しているナンバーナインの2003年くらいのモデルで音符を模したバックルが特徴です。
クロムハーツのR&Rブレスのダブルなんかも同じ構造のモデルですね。
この構造は実は元ネタがあって1930年代から50年代にかけて販売されていた「Fitsrite」というスポーツ用品メーカーのレザーリストストラップという商品で元々はスポーツをする際の捻挫防止用リストストラップだったみたいです。
これがが実際に私が所有している40年代製造と思われるヴィンテージの「Fitsrite」です。 これについてはまた今度個別に取り上げたいと思います。
このリストストラップの構造を完全にリプロダクトしてたのがマルタンマルジェラですね、これを2つつないでベルトみたいにしてました。 MISTER FREEDOMも同じ構造のものをデザインされてましたね。
■構造その2 ストレートタイプ
こちらは最もよく見かけるブレスレット本体の革の両端にベルトとバックルが来るタイプです、ベルトは革の中を通ったり通らなかったりします。
こういうタイプ。 こちらは「foot the coacher」という靴で有名なブランドのものです。オリジナルのバックルや内側に金属が露出しない構造とにかく丁寧にスキのないデザインでめちゃくちゃかっこよくてすごいと唸ってしまいますね、唯一の弱点はとんでもなく重いこと写真ではちょっとだけ見えてますが反対側には肉厚のスタッズがびっしりですごい重量感です。
ベルトは革の中を通ったり通らなかったりっていうのは上記画像のような構造のことです、いい感じのサンプルが手元になかったのでイラストで。
バックルとベルトが最短で接続する、これがストレートタイプです
■構造 その3 スプリットターンタイプ(ロットンタイプ)
構造その3、最初2種類+1種類と書いた1種類のタイプです、なぜ+1種類なのか、それはこのタイプがバックルが1つだから!
シングルバックルタイプなのになぜダブルバックルに含めているのかといえば、ベルトがY字になっていて、2本のベルトが1本にりバックルで留められているので構造的にはダブルバックルタイプの方に近いからですね。
こういう感じのモデル。 Y字のベルトがターンして1本になり(なのでスプリットターン)バックルで留まっています。
このタイプで有名なのはなんといってもセックスピストルズのジョニーロットンが着用していたモデルでしょう、ロットンモデルとも呼ばれる特徴的な構造です。
元々はウェイトリフティング用の手首保護リストバンドだったらしいですが、同タイプのヴィンテージのものは見かけたことがないので、いったいどういうものなのか実際にはよくわかっていないですね。
写真のモデルはPEEL&LIFTのレザーリストストラップです、ジョニーロットンが着用していたものに限りなく近づけたという逸品です。
このタイプのものはパンク系のアクセサリーを制作しているところなら必ずと言っていいほど作っているので見かけた方も多いかもしれません。 藤原ヒロシさんがこのタイプを着用してて流行ったりしましたね。 マルジェラなんかもこのモデル特有のデザイン上の弱点をうまいことカバーしたデザインのものを出してましたね。
ダブルバックルタイプの基本はこの3種類で細かなディティールは違うもののほとんどのモデルはこのどれかになると思います。
■となると……
ここで最初に紹介した当ブランドのダブルバックルタイプを見ていただけるとわかりますが、実はダブルロールタイプとスプリットターンタイプをハイブリッドしたモデルだったわけです。
ハイブリッドにしたデザイン上のポイントはずばり「どの角度から見てもかっこいい。」
ダブルロールタイプはバックルがついていない側がすっきりしている、スプリットターンタイプはベルトの集合点が少しだけ間延びする感じになる、という弱点(この弱点も”だから良い!”になることがあるのもデザインの面白いところですね)を解消した個人的には最もバランスがいいデザインになったんじゃないかと思います。
ほんとめちゃくちゃいいバランスで仕上がっているのでめちゃくちゃおすすめです。
■DOUBLE BUCKLE BRACELET “CXL” BLACK
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